ブラックミュージシャンとしてのマイケル・ジャクソン
日本では、1980年代マイケルはブラックミュージシャンとして無視されていた、ような時期があった。
レコードショップではマイケルのカテゴリーを扱いかねているように見えたし、明らかに他に並んでいるアーチストと違和感のあるPOPに入れられたりしていた。
R&Bやソウルがカッコイイとされ始めた時代にマイケルはこれらのカテゴリーから無視されていた。
それに、マイケルはどう考えてもブラックカルチャーの中から出てきたチャイルドスターだったし、多くの理不尽な差別的扱いも受けてきたけれど、そんなものはなかったかのように生まれ持っての苦労知らずのスーパースターだと思っている人々が殆どだった気がする。
一時期、アメリカ国内でさえ、マイケルがテレビで大々的に肌の色が病気で抜けていく病気(尋常性白斑症)だと公表する前までは、アフリカンアメリカンの中では、マイケル嫌いが浸透した時期もあった。それを徐々に覆していったのは多くのブラック音楽メディア業界のマイケルをリスペクトし続けた人々だ。
そうだ、2000年代のMTVは酷かった。もはや彼らはマイケル・ジャクソンをリスペクトしない世代に交代したんじゃないかと思ったものだ。
この年末に録画しておいたMTVジャパンの「マイケル・ジャクソン来日独占スクープ」を今頃見てみたら、当時もざっと見たはずだったが、ひどい編集だった。
よく恥ずかしくもなくあんなものを今の時期に放送できるなと思ったりした。
あの映像もまったく違う編集でマイケルの素晴らしい音楽を載せたら見ごたえのある内容のドキュメンタリーになるだろうに。
これってテレビ業界全体に言えることじゃないだろうか?
テレビは視聴者をとことん馬鹿にしている。
馬鹿にして、誤解して、視聴率が悪くなる番組ばかりを生み出している。
そういう気がする。
こちらは、お気に入りのパフォーマンス、サミー・ディヴィスJr.60周年(1989)。
人種の壁を打ち破って頂点にまで登りつめてますます大きな存在となっていこうとしているマイケル自身。
そういうマイケルが、先達の苦労や努力を決して忘れない心をもって友人サミーに捧げた曲。
見るたびにこんなにも心を打たれるのはなぜだろうか。
現在、発売中の元祖、ブラックミュージックレビュー。
昔はマイケルなんて全然載せてくれなかったのだ。
ちゃんと音楽を聴けばMJミュージックがどんなにソウルフルかが分かるってのに。
きちんと音楽目線で、マイケルをどう見るのか、いろいろ勉強になるのが悔しい。
(but突っ込みどころNothin'ではないが)
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