デンジャラスツアーin 1992

前回のおはなしの続き>
マイケルに会いたいと思ってビルさんに手紙を渡したけれどまさかこんな大っぴらなカタチで会えるとは思っていなかったのでドギマギしてしまっていました。

が、そこへ当時有名だったファンの子の“取巻き”さんが来て「どういうこと?」と言うので、まんま事情を話すと「汚い手使わないでね!」とハッピーな気持ちに泥を掛けて立ち去りました。うーん、どうしてなんだろう。

この後またビルさんがロビーを横切ったので私はお礼を伝え、今いないもう二人の友人も一緒にバックステージに行けないものか頼みましたがそれはもう全くNGということでした。(マイケルジャクソンマターってそういうものなんだと実感)

そうして次の日(当然前日は一睡も出来ず)集合場所であるロビーに行くと、かなりの人数がそこで待っていました。私達はビルさんの秘書のメアリさんからその日のコンサートの招待券をいただきました。座席はBブロックでの最前列の真ん中でした。
私のオリジナルのチケット最前列とはいえ端っこでしたがそのチケットを行けない二人にあげて少しでも前で見て貰う事にしました。(これが結構ツライ)

意外でしたが私達はホテルからバスに乗せられて東京ドームに向かいました。中には湯川れい子さんもいらっしゃいました。
一緒の友達はこんな気分がいい思いをするのは初めて!と大喜びでした。

私は会うまでは完全に喜べない何かが未だ残っていましたが次第にテンションが上がり、そうこうしているとバスは会場裏へ到着。私達はバックステージの一部屋に通されて待つことになりました。

しかししばらく待つと信じられない報告を聞きました。本日はマネージャーのビルブレイ氏が風邪で仕切る者がいない為マイケルには会えません、という。

いやーっ。
脳天をぶち抜かれた感覚。
ここから先、アリーナに辿り着くまでの記憶がありません。

ただステージは素晴らしかったです。もう涙涙でどういう涙なのか分からない状態で私はひたすらステージ上のマイケルを見つめていました。
真正面からよく見えすぎてツライ、などと思ったのは初めてでした。それでもいつも通りに歌い踊り叫び、なんとか自分を保っていました。

次の日、ロビーに現れたビルさんに「風邪大丈夫ですか?」と声を掛けると「何のこと?」とケロッとしています。「はっ?」ま、まさか仮病とかですか?呆然としました。「でもあの昨日」とか言いかけると向こうもはっとして今度はあんた誰って顔で目の前を通過。
な、なきたい!
しばらくして秘書のメアリーさんもロビーに降りて来て申し訳なさそうな表情をしてくれていたので私は「本当に昨日は残念でした。今日もう一回チャンスをくれませんか」と言いながら結局泣いてしまいました。
結局必死になるしかない。プライドとか言ってらんないのです。うう。これがマイケルジャクソンマターなんです。
しばらくしてメアリーさんが招待券はないけどいい?と言って来てくれました。「ええ、ええ、そんな、とにかく私達はマイケルに会いたいだけなんです!」
自力でバックステージに来るようにとの指示を受けました、と、ここで、どういう経緯かは謎でしたがやっぱり例の恐い彼女たちも一緒にバックステージに行くと言う事を知りました。

当時どうしても私には彼女たちの事が理解できなかったのですが、この後彼女たちは彼女たちグループ全員で会う、そうでなければ、マイケルに会えなくてもよい、という選択を取ったのです。

それは今から考えると私達がそこに入るという状態(?)を拒否したのかもしれないとも思えなくもない行動でした。まさかそこまで?
次回へ続く