よく遺族が死因にこだわったり、追及したりするのを、もういいじゃないか、それが解っても本人が戻るわけじゃないのだからという人がいますし、私もそうだなぁと思う向きもありました。
でも、やっぱりマイケルのことで、知らなければならない、何とかして知りたいという気持ちがわかるようになりました。
知らなくていい、とは思えない。
マイケルに何が起きていたのか。たとえそのヒントになるだけのものであっても知っておきたいと思うのです。


姉のラトーヤがマイケルは闇の側近に殺されたのだと主張しているといいます。
ラトーヤに関しては、彼女がとてもエモーショナルで、かつてはマイケルに対してひどいことを言ったこともあり(そこには事情があったと主張してはいるが)、この人が言うことを言葉通りに受け取っていいものか、疑わしく思ったりもします。


ラトーヤは末のブランケット君についてはマイケルは生物学的な父親ではなく、誰の子なのか不明だと言っているといいます。

ラトーヤはとても痛ましい話もしました。
Los Angeles' Forest Lawn Cemeteryで安置されていたマイケルの棺を開けて、パリスちゃんたちがお別れをした時、パリスちゃんは対になったハートのネックレスを「ひとつはパパに持っていてほしいの。
もう一方は私が永遠に持ち続けるのよ」と言って、マイケルの手首にそっと巻きつけてあげました。
「これはパパへのプレゼントよ。パパの上だとブルーになってしまうのね。だってとても冷たいんだもの。私の方はパープルに。(温度で色が変わるネックレスだったのです)パパがとても冷たい。とても冷たいわ」


こんな話、私には、まるで映画か何かのようでとても信じられないとやはり思いながら、リアルな感触に足先から力が抜ける思いがします。

ラトーヤは病院に最初に駆けつけたときの話もしました。
キャサリンや子供たちが泣いていました。
「本当なの?」
「そうよ、彼は逝ってしまった。私は涙が止まらない」
それを聞いて私は叫びだしました。子供たちも悲鳴をあげて叫びだしました。
母はそこに座り3人の子供たちはその膝の上で、ただただ泣き続けていました。


たぶん、彼女は、いろんな人から、弟が亡くなってもジャクソン家は悲しんでもいないなどと、心ないことを誰かに言われたりしたんではないでしょうか。それでこういう話をしたのかもしれません。

私は、今だに受け入れることができない、にも関わらず、冷たくなったあの人を何度も頭の中で想像しているので、いまではまるで見たような気さえすることがあります。

でも私にとっての真実はこっちかもしれない。

「ぼく、もう死んだようになるんだけどね、それ、ほんとじゃないんだ・・・・・・」
「ね、遠すぎるんだよ。ぼく、とてもこのからだ、持ってけないの。重すぎるんだもの」
「でも、それ、そこらに放り出された古いぬけがらと同じなんだ。かなしかないよ、古いぬけがらなんて・・・・・・」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

王子さまは、また笑いました。
「それに、きみは、いまにかなしくなくなったら――― かなしいことなんか、いつまでもつづきゃしないけどね――― ぼくと知り合いになってよかったと思うよ。きみは、どんなときにも、ぼくの友だちなんだから、ぼくと一緒になって笑いたくなるよ。そして、たまには、そう、こんなふうに、部屋の窓を開けて、ああ、うれしい、と思うこともあるよ……。」