高額&前例のないプレミアムVIPパーティ

私は、昨年このクリスマスパーティが予定されていた段階では、ワールドミュージックアワードのチケットが当選し、ロンドンに行って来た直後という事で経済的な問題でまず絶対プレミアムでは行けないのと、スタンディングチケットでは、きっとロンドンや去年のMTVのようにアリーナでヒドイ目に遭うことが予想され、写真撮影等の時間内人数処理や企画に疑問もあり、参加しないつもりだった。
それが、3月に延期されたことで参加の可能性が見えた。
それでもパーティの内容に納得できない部分もまだ多く残されていた為、私はポジティブプロに直談判しようと思い、まず電話を掛けてみた。電話で「このままの企画なら私は反対運動をさせていただきます」と言うとしばらくするとモリスさんが電話に。
名前やファン暦を伝えてるとモリスさんは「前回マイケル来日時にも話した事あるよね」と言い、(ここら辺は声だけでそこまで覚えていたのかは実際は疑問だが)真剣な話し合いをさせて貰うことが出来た。電話を切った時は会社の休憩時間の1時間を超過していたので焦ったのを覚えている。
その後司会の問題なども改善され、私は高額チケットに不安も残ってはいたが、"賭けよう"と思ったのだった。
これが本当だったらマイケルに個人として会える人生3回目、20年目のチャンスだ。
私の個人としての感触ではモリスさんについての印象は大きく変ったと思う。

ところでパーティ当日は、会社を病欠で休み、母に内緒なので、ホテルの部屋を取り準備することにした。
今まで何度かドタキャンでつらい思いをした為、本当にマイケルが日本に来るまでは信じることができず、今更ながらマイケルへのメッセージブックをギリギリまで作成する羽目になっていた。
もう時間が無い、あまり何も考えられなくなって(お金がないので半分手作りワンピに)着替えて会場に向かう。髪はボサボサだ。顔は寝不足でヒドイ。
地下鉄で新木場まで行き、徒歩で会場に着くとゾッとした。
考えられないような数のメディアの集団がどでかいカメラを持って入り口付近に群がっている。
犯罪者になったような気分で思い切ってその間を顔と身体を低くし会場前に入ると、会場の外にそのまま並ばされた。
会場時刻になっても中に入れて貰えず、メディアの晒し者。これには参った。
スタッフにクレームをつけたが平謝りで改善する気もないらしい。
そうこうして1時間位経ってからだったか会場へ入場。先ほど、このまま並ばされてVIPルームに行くのだという説明を聞いたがあれは何だったのか、そのまま全員、何の説明もないまま会場内へリリースされることになった。

とりあえず友人達6名とテーブルを確保して軽く食事をする。過去ビュッフェ形式のホテルのディナーショーなどに行った時の食事くらいかなと、思ってはいけないとは思っていたがその通りだった。まあ食事なんてものはどうでもいいのだ、というのが正直なところで、マイケルに会えるということだけが重要なわけで、いろいろな不手際も一瞬にしてマイケル登場と共に忘れてしまう。
マイケルは、1時間以上遅れて中2階席に登場し、会場が湧いた。VIPルームに入っていくマイケルに当然ながらすごい歓声。みんなが熱狂的過ぎて何となく不安にもなる。
まずマイケルは3階席に来ている100名ほどの施設の子供達に挨拶しに3階席へ行った。相変わらず優しいのだ。
本日の衣装は何と分かりやすい、一見光るドット柄なのかと見間違うようなスーツ。これが着こなせる人はレアだぞ〜。

そうして、会場内の上部ガラス張りVIPルームでの写真撮影が始まった。
会場内に流れるマイケルジャクソンの曲と映像があまりにも懐かしく、気持ちが高揚せずにいられなくなってくる。
ガラス張りのVIPルームの様子は見ようとすれば結構見える。

マイケルは自身の曲のビートにノリノリで殆ど踊っているように見える。ああゴキケンなのだ。マイケルのHAPPYが伝わってきてすごく嬉しくなった。

何とかマイケルを楽しませるように色々考えたいと思っていたがそんな必要はなさそうだ。
そして12月のチケットを持っていた友人が抱きしめられているのをみて、更に安心した。愛が通じたのねん。
その後も随分待ったがとうとう私達もVIPルームに向かって並ぶ、何故かそれがフジテレビ軽部さんの後ろ。(この時も場所の案内の不手際で後の方になった)
随分長い時間なので軽部さんと話をしたり、並んでいる所の写真を撮ってあげたりする。
軽部さんはテレビよりも人柄の良さがにじみ出ていて、私達は、日テレでは事情通とやらが出てきて無実で無罪のマイケルに対して「殺人の次に重罪な犯罪者という事実があるので云たら、」とか言っていた話をし、どんなに傷つき、頭にきたかという話をして、そのような事がないようによろしくと伝える。

私達の順番が来て、丁度友人3人同時にVIPルームに招き入れられた。まずは友人のKさん。
次は自分の番だと思うとあまり注視もしていられなかったが友人のKさんは01年に一緒にネバーランドに行った時のバッジを胸に付けていたのでマイケルは見るなり、「ネバーランドバッジじゃないか〜」と喜んだ。そうしてハグ。
覚えていないが気がつくと私はマイケルの隣にいて肩を抱かれ流れ作業的に撮影に入りそうになっていた。
私は、これだけは聞いてみたい(いや、聞いたところできっと社交辞令的に答えるのは分かっているけれど、毎回I LOVE YOUとかHOW ARE YOU TODAYとかGOOD LUCKとかTAKE CAREとかではない言葉がいいたい、と思っていた)、
それが
「Do You Remember Of Me?」
肩越しに囁くと
マイケルの反応は私には意表をついていて、頭の中がとっ散らかってしまい、2,3秒フリーズしてしまった。
マイケルは、サッと身体を離して正面から私の姿を上から下まで眺めて、「どこでだっけ?(Where were you?)」と可愛く茶目っ気のある調子で言った。(見られて恥ずかしい・え、覚えてないんだショック・このマイケル可愛すぎる!)
私は走馬灯のように色々頭にLondon、NY、SantaMaria、98年、96年、92年、87年の主要な遭遇場面を思い出していたが言いよどんで、ジェスチャーで「もういいよ」って感じにしてしまった。(なんてバカ、でも次の人たちに迷惑だし仕方ない)
と、マイケルは「いろんな人に沢山会うから(I met so many people)」と言い、抱きしめて頭に手を置いてくれたので、私はまだ何か言いたかったがもう何も言葉にならず。
後から思い出したがマイケルはその時小さな声で「ごめん(sorry)」と言っていた。

写真をどう撮ったのか覚えていないが私は一生懸命笑顔を見せてショックを誤魔化していた。(見ていた人によると笑ってたじゃないですか?というのでまあ成功か?)
その後、私はすごい勢いでスタッフにVIPルームから追い出されそうになり、危うくプレゼントとメッセージブックを渡せないところだった。
がマイケルの手が伸びて、受け取ってくれていた。(ありがとう、マイケル)
その後私はひたすら自分自身の態度や撮った写真のひどい出来に落ち込んでしまった。
パーティ会場のテーブル席にマイケルが下りてきてパフォーマンスが始まった。
思った以上にレベルの高いパフォーマンスだ。
ゴスペルも素晴らしかった。

何よりマイケルが喜んでいる姿が嬉しくて嬉しくてその姿を見ている限りはHAPPYな気持ちでいられた。
マイケルからのステージ上での挨拶時にも一番前でかぶりつきで見られたので、声を掛けたり、投げキッス送ったりして、「さっきはゴメンね〜」を伝えたつもり。
最後にサングラスを外して目を見せてくれたのがまた最高だった。

マイケルが会場をニッコニッコで後にする写真を見てもマイケルがファンの愛情を一杯受けてHAPPYだったのがよく分かる。
今回のイベントをお金の為に無理して行ったと見る向きもあるらしいけれど私はそうは思わない。こんな微々たるお金の為に嫌なことを無理して出来る人じゃないのだ。マイケルはファンに会いたかったから来たんだと思っている。
ありがとう、マイケル!

マイケルはこの日、AP通信の取材に答えて、コメントした。
「僕はエンターティメント業界で6歳のときからやってきたんだ。チャールズ・ディケンズが言うように最高の時もあったし、最悪なときもあったよ。でも僕は僕のキャリアを変えないだろう。故意に僕を傷つけようとするものがあったときでも僕はそんなものに振り回されずに堂々と歩くのさ、だって僕には愛する家族がいる。僕を強く信じてくれている素晴らしい友人やファンが僕にはいるんだ。そして僕を支え続けてくれるんだ。」